「ま、待ってルルーシュ、」

呼吸を乱しながらスザクはルルーシュの顔を引き剥がして訴えるが彼はにやり、と笑って啄ばむキスをした。間近で見る瞳の色は宝石のようで、その中に自分が映っているのが何故か恥ずかしかった。
待てない、とスザクの言葉を遮って唇へと噛み付く。
そして下肢へと手を伸ばして、制服の上から股間を探る。
その感触に驚いてスザクは身体を硬直させた。
誰もいない図書館での秘め事。
誰もいないけど、誰も来ないとは限らない。

「ルルー、シュ、だめだ、こんなところで……」

見つかったら君も僕も大変なことになる、と頬を朱に染めて囁く声での抗議。
それが反対に煽るということをたぶんわかっていない。

「大丈夫。まだ授業中だ」

各教室とは別の館にある図書室は、放課後ないし休息時間でしか人は見かけなかった。まだ午後の授業は始まったばかりで今、ここに二人しかいないのならまた授業時間が終わるまでは誰もルルーシュとスザクがしようとしていることは見つからなかった。

「そういう問題じゃあー、」

ぴくん、とスザクが身体を震わせる。
ルルーシュの手のひらに優しく撫でられていると、嫌でも反応を返してしまう。
なんて浅ましいんだろう、と自己嫌悪する。

「うっ、」

彼の肩へと額に擦り付けて、唇を噛む。
昼下がりの午後という時間がまた、羞恥を掻き立てる。
ルルーシュの指はスザクの硬くなって行く場所を摩り、唇は恥に染まる赤い耳を食む。間接的な感触だというのに、十分すぎるほどの甘い痺れと焦燥が思考を奪っていく。
だんだんと膨れ上がる股間をルルーシュは何度も撫でた。
形を弄られてスザクは息を飲む。

「ぃや、だ。やだ……っ」

小さい声で呻いて、彼の腕を掴むが力が入らなくて払うことが出来ない。

「スザク、お前のココ、もうこんなに堅くなってる」

言われたくないことをルルーシュは喉でくつくつと笑いながら教えてくることで、身体の中に熱を宿す。
じんじんとルルーシュに触れられている場所が痛くなってくる。
心臓までもがばくばくとうるさくなってくる。
スザク、と名前を呼ばれても返事は返せず苦しそうな吐息だけを、彼へと伝えた。
彼はこういったことに疎そうな顔をしている。けれど、一度触れ合ってしまえば離し難いほどに、艶やかで扇情的だった。
禁忌を犯している、ということを自覚されるような気分だ。
柔らかい唇を吸えば、理性が保てなくなって、潤んだ瞳に己が映り込むことに喜悦した。

「ふ、ぅん……ルルーシュ、だめだ。もう、手……」

肩を掴んでいたスザクの手に力が篭る。
目蓋を閉じて震える睫毛を見下ろして、頬を寄せた。
そして喘ぐ上唇を押し上げるようにして強く唇を重ねる。
ルルーシュの口腔から自分ではない熱が流し込まれるような情熱的なキス。ルルーシュは唇の隙間に舌を忍ばせて半開きになったスザクの口の中へと入り込む。
それでも彼は前を擦るのをやめることはなく、スザクの腰はどうにかして逃げようとする。
このままだと、下着もズボンも履いたまま達してしまうそうで我慢の限界がきそうだった。

「あっ、は……」

濡れた舌でスザクの口の中をまさぐれば、怯えて隠れようとする舌を追いかけながら、至るところを舐めては擽ったりもした。
動き回る舌に、飲み込めない唾液が唇の端から零れて、それも躊躇うことなくルルーシュは舐める。
淫靡な口付けと下肢から伝わる痛みに、意識は朦朧としてスザクは彼に目で訴えた。
それを眺めて、ルルーシュの秀麗な唇が笑う。

「スザク、イきたいのか?」

「……、」

ルルーシュは手を休めてそう問えば、スザクは目を逸らす。
まだ羞恥心が本能を邪魔している。羞恥を捨ててしまえば、それはただの媚びるだけになってしまう。そうはなりたくないと、スザクは惑う。
それとやはり場所が好まれる場所ではない、ということが引っ掛かっていた。
どうしてルルーシュは気にならないんだろうか、と今更少し疑問に思いながらもこのままの状態でいるのは、辛いというのが正直な気持ち。

「……けど、やっぱりここじゃあー」

ちらり、とあたりを目配せしてルルーシュへと戻す。

「相変わらず強情だな、こんなにしておいてまだそんなことを言うのか?」

しかしルルーシの意志は変わることなくて、躊躇なくベルトへと手を掛けてそのままズボンのチャックを下ろしてしまう。
「あ、」と短い悲鳴を上げて下肢から伝わる新しい刺激に目を瞑る。
ルルーシュはスザクの勃ってしまっている雄を手のひらで擦りながら、椅子から立ち上がり彼の前へと屈んで股間へと顔を埋めた。

「や、ルルーシュッ……ぅ」

触れるのは違う生温かい感触に、全身が粟立つ。
声が洩れてしまう声が嫌で奥歯を噛んで堪えるが、その分だけ身体に熱が篭っていく気がした。
ルルーシュの舌が先端を中心に舐めていく。
自分では与えることの出来ないその刺激が気持ち悪いと思っていても次第に気持ちがよくなってくる。

「ん、ルル、シュ……だめだ、もぅ……」

ルルーシュの肩を力強く握り、離して欲しいと訴える。
そうないと抑えがきかない。

「は、なして、ぁ、だめ…我慢、出来ない……ッ」

けれどルルーシュはそれを望んでいるかのように、鈴口から溢れる先走りの液を啜って、吸い上げた。射精を促すその行為にスザクの腰が小さく跳ねる。
ぐっ、と息を詰めて堪らず彼の口の中へと熱を吐き出してしまった。
そうしてすぐに襲われる脱力感と薄らと閉じていた目を開ければ、ルルーシュが手の甲で唇を拭っていて羞恥心に顔が真っ赤になった。
それにいくら生理現象だからと言って場所を弁えずに達してしまったことに自分も情けなくなる。

「ご、めん……」

「なんでお前が謝るんだ」

別に謝るようなことなどしていないのにスザクが咄嗟に口した言葉にルルーシュは目を細める。
まだ上気している肌に触れると過敏に反応して顔を上げた。
大きな瞳が滲み、自分だけを映していることが心地良い独占欲を掻き立てる。

「気持ちよかったか?」

目を逸らさず聞かれたことに、スザクは唇が半開きになって、慌ててまた俯く。
そうすればルルーシュがまた屈み込んで顔を仰いで、伸ばした彼の手がうなじに触れる。

「スザク、」

甘い声で名前を囁かれて、唇が寄せられた。
軽く音を立てて離れた唇にスザクがもう一度お返しのキスをすると、更に深く求められる。
眩暈がしそうなほどに、苦しくて、熱い。
手を伸ばして背中を抱く。
合わさった唇から透明な糸を引いて離れるとスザクの瞳が朦朧と縋るようにルルーシュを見つめている。
収まらないままの熱がまた身体の奥の疼きを煽る。
すると突然何を思ったかルルーシュはスザクの腕を取り立たせると連れて歩き出す。
まだズボンはずり下がったままでそれを掻き合わせて持ち、彼の黒い背中を追う。

「どこへ?」

呂律が回らない小声でそう聞いたがルルーシュは「こっち」、とだけ告げて図書室を出た。
連れて来られた場所は図書室から数分もないところにあるトイレだった。幸い、誰も入っておらず二人がこのトイレに入ったことも誰にも見られていなかった。
そしてスザクと共にトレイの個室に入り、鍵を閉めるとすぐに身体を抱き締めて、もう一度熱く唇を重ねた。ひんやりとした空気が漂う中で、何度も繰り返し口付けを求められて返す。
いくらここが図書室のような広くて誰かに見られてしまう場所ではからと言って、トイレは誰だって使える。もしかしたらここに居ても、状況は何も変わらないのかもしれない。
と、いう考えはスザクの中であっという間に吹き消されてしまう。
それよりも全身に伝わる刺激に追いつこうとするのに必死でそこまで余裕がなかった。
ルルーシュは唇を離すとスザクを洋式の便器を座らせて、制服のベルトを抜き取って自分自身の前をくつろげさせた。
スザクはそれを浅く吐息を洩らしながら見ていれば、ルルーシュの手が鷲色のくせ毛を撫でる。

「スザク、咥えて」

吐息が空気へと溶け込むようなルルーシュの淫猥な囁き。
さきほどの自分のもののように勃ってしまっているルルーシュの雄。少し戸惑った様子でそれを手に取るとゆっくり上体を倒して口に自ずと咥えた。
ルルーシュの腰を両手で掴んでさきほど彼がしてくれたように舌を伸ばして愛撫する。

「ん、ぐ……っぅ」

咥えたままルルーシュをちらりと見上げれば、彼の頬は上気していて気持ち良さそうにスザクの行為を見つめている。
その視線が、疼きを熱くさせた。
舌を平らにして根元まで加えれば喉の奥に当たれば吐け気をがしたが、それでもスザクは続ける。
彼が気持ち良さそうにしてくれているのが内心嬉しくて、濡れ始めた先から零れ出る液体と唾液で湿った音を響かせて、夢中になってしゃぶった。
しばらくするとルルーシュの指が顎に触れ、「もういい」と掠れた声で言われて抜き取られる。
そしてまた腕を取ってふら付く身体を立たせると後ろを向かされて、便器を跨ぐように足を開かせて彷徨わせた手は便器の水を流す取っ手へを掴んだ。不安定な状態にさせられてスザクは困ってルルーシュへと振り向いた。

「、ルルーシュ、」

しかし彼はその戸惑う視線に笑ってスザクの引けている腰を掴んで、上げさせる。
薄い皮の双丘をさらりと撫でるとその奥にある秘処へと指を這わせた。
ぴくん、とスザクが震えて唇を噛む。ローションも何もないここでの潤滑油はお互いが吐き出している先走りの液でそれを指に掬ったルルーシュがスザクの窄みへと侵入する。
ほとんど触れることもない箇所への刺激に、足だけでなく全身が震えた。

「あ、っう……」

指先は狭い部分を掻き分けて入ってくる異物の感触にぞくぞくした。長い彼の指は中を解すように襞を伸ばして次第に鳴れてこれば指を2本へと増やし、ばらばらに動く。
曲げられた間接に触れた箇所に腰が揺れると、酷薄な笑みを浮かべたルルーシュが執拗にそこを弄り続ける。

「あ、やだ……っ、そこ、あ」

「ここがいいのか?」

中から伝わってくる快感に、またも屹立してしまった雄からはしとどに欲が垂れ落ちる。今、どれだけ自分が醜態をされているのかわかっていても、身体も精神も徐々に蝕まれていく。
今だけは、ルルーシュが全てだった。

「ふ、ん……ルルーシュ、」

鼓膜を破りそうなほどに心臓の音がうるさく止まない。
身体の内かせ溢れ出そうな熱をどうしかして収めてもらいたい。もっと、触ってほしい。
それにこの体勢にも限界があった。

「ルルーシュ、もう……、ぁ」

絶え絶えになる呼吸で訴えるスザクにルルーシュは熟れた場所から指を引き抜く。その一瞬の冷たさに、秘処がひくつく。
だがすぐにそこに中てられる他人の熱に、身体が期待するかのように強張った。

「スザク、」

蕩けた場所へと熱くて硬いものがぴったりとあてがわれて、十分にくつろげられた襞を押し開き内側を抉る。

「う、っあ、ぁ……んん」

指とは違う圧迫感と閉塞感に襲われて、スザクは苦しそうに鳴いた。それでも受け入れた場所は蠢いてルルーシュを奥へと導く。
決して柔らかいといえる場所ではなく、突き入れた彼もまた息苦しく眉を顰める。そうして全てが内部へと納まると、ルルーシュが小刻みに腰を引いたり戻したりする動きを繰り返す。
そのたびにスザクの唇からは乱れた声を上げるが、ここがトイレであるという概念は消えず必死になって喘ぎを殺す。
肉が擦れる音と、互いの荒い呼吸。
身体を奥を突かると、その直接な快楽が痺れる毒となって全身へと回る。
頭の中は真っ白で今はただ、訪れる淫らな行為を受け止めるのに精一杯だった。

「あ、いやだ、はッぁ……や、」

緩慢だった揺れが性急になって貫かれると、スザクは今にも飛んでしまいそうになる意識を繋ぎとめることに必死になった。
そしてそれは眩暈がするほどに、気持ちが良い。
きつくルルーシュの茎を包み込んで食い締める。
激しく揺さぶりに手のひらだけで身体を支えていることが出来なくて、背中を反らせて頬を紅潮させた。
余裕などないルルーシュはスザクの泣き声でも煽られて欲望のままで軍人にしては細い腰を突き上げる。
後ろから貫くことでより深いところまで先端が届いて征服欲に酔い痴れ、もう一度スザクの屹立した雄を手にひらで握り軽く擦り上げる。
その刺激にスザクは首を振って、「触らないで」と拒絶するがそれでも触ってもらわないと張り詰めたままでおかしくってしまいそうだった。

「う、はぁ…あ、ああ、いやだ、また……ッ」

ルルーシュに貫かれイキ続けているような垂れ流しの快感に再び扱かれる感覚に、嗚咽交じりに喘ぎを洩らしながらスザクは我慢することなく白濁した液を吐露させる。
その射精で内部が収縮し、膨らんだ熱を締め付けられてルルーシュは促されるようにして数回腰を押し付けるとスザクの中へと己の欲を奔流された。
灼けるほどの熱情に、スザクは切れ切れの嬌声を上げて全身をぐったりと弛緩させる。
しばらく余韻に浸るようにルルーシュはスザクを後ろから抱き締めていると、熱を引き抜いた。爛れた場所からは零れる熱情。
いまだに目蓋の裏がチカチカとして、他人の体温を感じたことに心地良さを感じていた。
身体を重ねているときの体温は温かくて優しい。
どんなに現実が嘘ばかりでも、それだけは本当だった。

「ルルーシュ……」

渇いた声で呼べば「なんだ、」と彼も疲れた声で返してくる。
いくら気持ちが盛り上がったから、てトイレはないんじゃないか、と文句を告げようとしたが拒絶できなくて結局自分もまた、高ぶってしまったことには間違いないと思い自嘲して「なんでもないよ」と言葉を飲み込んだのと、誰も入ってこなかったという運に感謝した。





再会無期限延長、君が死ぬまで

※18禁ルルスザです。ヌルいですが。
自己責任でお願いします。